マウスピース矯正中(インビザライン)に歯がグラグラする… 抜けそうだけどこれって大丈夫?
インビザラインなどのマウスピース矯正中に、歯がグラグラしているように感じたことはありませんか?
矯正治療では歯が動くことが必要ですが、その過程で一時的に歯が不安定になることがあります。
この現象は多くの場合、治療の一環として起こるものですが、治療計画や歯槽骨の状態によっては問題となることもあります。
この記事では、矯正中の歯の動きの仕組みや歯槽骨の役割、歯がグラグラする原因と対策について詳しく解説します。
目次
■矯正治療中の歯の動きと歯槽骨の役割
◎矯正治療の基本的な仕組み
矯正治療では、歯に力をかけて少しずつ歯を移動させます。
この時、歯を支える歯槽骨では、歯が移動する側では骨が溶けてなくなり、反対側では新しい骨が作られるという「リモデリング」という現象が起こっています。
これにより歯の移動が可能になっているのです。
ただし、歯にかかる力が強すぎたり、無理な治療計画で進めたりした場合などは、歯槽骨が必要以上に吸収することがあり、問題となる可能性もあります。
■歯がグラグラする原因
◎歯槽骨の一時的な吸収
歯が動く際に骨が一時的に吸収(溶けてなくなる)するため、歯が不安定に感じることがあります。
この現象は治療の正常な過程であり、新しい骨が形成されることで再び安定するため、心配しすぎる必要はありません。
◎過剰な力
治療を急ぐなどしてマウスピースに過剰な力を加えると、歯槽骨が必要以上に吸収し、歯がグラグラする状態になることがあります。
◎歯根の移動位置
歯根が歯槽骨のない場所に移動してしまうと、歯が支えを失い、不安定な状態が続きます。このような問題は、治療計画が適切でない場合に起こりやすいです。
■歯がグラグラするのを防ぐには?
◎正確な診断と治療計画が重要
矯正治療では、事前の診断と計画が重要です。
レントゲン撮影やCTスキャンで、歯や骨の立体的な状態を把握し、歯根が適切に支えられるよう計画します。
歯科医師とよく相談し、状態に合わせて無理のない計画を立てましょう。
◎移動速度と力のかかり方
歯の移動が速すぎると骨の形成が追いつかず、歯が不安定な状態になるため、適切なペースで進めることが大切です。
また、矯正力を均等に分散させることで、特定の歯に負担がかからないようにすることも大切です。
■矯正治療中に注意すべきこと
◎歯科医師との密なコミュニケーション
矯正治療中に歯がグラグラするなどの違和感があった場合、すぐに歯科医師に相談しましょう。
早期に対応することで、治療計画を見直し、問題を防ぐことができます。
◎過剰な噛む力を避ける
硬い食べ物を避けることで、歯に過剰な力がかかるのを防ぎましょう。
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて食事の制限が少ないですが、強い力を過剰に加えると歯槽骨に無理がかかり、歯がグラグラしてくる可能性があります。
状態に応じてやわらかい食べ物を選ぶなどして対応してみましょう。
◎マウスピースを正しく装着する
マウスピースが適切にフィットしていない場合、偏って力がかかることがあります。
マウスピースは指示された通りに装着し、装着時に違和感を覚えた場合は、すぐに歯科医師に相談してください。
【治療の範囲として歯がグラグラすることもある】
インビザラインなどのマウスピース矯正中に歯がグラグラするのは、矯正治療に伴う一時的な現象であることがほとんどです。
しかし、治療を急ぎすぎたり、力のかかり方が適切でなかったりする場合、問題が発生する可能性もあります。
安全に矯正を進めるために、正確な診断と無理のない治療計画を立てましょう。
また、治療中に違和感があった場合は、早めに歯科医師に相談することが大切です。