矯正はいつから始めるのがベストなの? 小さい頃に始めるメリットと判断のポイント
歯並びが気になった時、多くの方が疑問に思うのが、矯正はいつから始めればよいのだろうという点ではないでしょうか。
特にお子さまを持つ保護者の方は、タイミングを逃してしまうのではと心配になるかもしれません。
実際には矯正治療にベストな時期は一概に決められず、歯並びや顎の成長の状態によって適した時期は異なります。
ただし、小さい頃に始めることで得られるメリットも多くあります。
ここでは、矯正を始めるおすすめの時期や注意すべき点、判断のポイントについて詳しく解説します。
目次
■矯正治療はいつから始めるのがおすすめ?
◎子どもの成長期を活かす
一般的に、矯正治療は小学校低学年から中学年にかけて始めるのが良いとされています。
この時期は顎の骨が柔らかく成長が活発なため、歯を動かすだけでなく、顎の大きさや形もコントロールしやすいのが特徴です。
顎の成長を利用した治療を行うことで、将来的に歯がきれいに並ぶスペースを確保するために「抜歯」をする必要がなくなる場合もあります。
※お子さまに受け口やしゃくれなどの症状がある場合は、
早めに歯科医院で相談することがおすすめです。
◎大人になってからの「成人矯正」でも遅くはない
一方で、矯正は子どもだけのものではありません。
歯と歯肉が健康であれば、大人でも十分に治療が可能です。
20代や30代はもちろん、40代以上でも矯正を始める方は増えています。
ただし、大人の場合は顎の成長が止まっているため、歯の移動にやや時間がかかることもあります。
■小さい頃に矯正を始めるメリット
◎顎の成長をコントロールできる
成長期に矯正を始める最大のメリットは、顎の発育を利用できる点です。
顎が小さいことで歯が並ぶスペースが不足している場合でも、成長に合わせて顎を広げたり誘導したりすることで、将来的にきれいな歯並びになりやすいのです。
◎将来、矯正治療にともなう抜歯リスクを減らせる
永久歯が生えそろってから矯正を始めると、歯をきれいに並べるスペースを確保するために抜歯が必要になることがあります。
子供の時期に顎のバランスを整え、永久歯が自然に並ぶ土台を作っておくことで、歯を抜かずに矯正できる可能性が高まります。
◎習慣改善につなげられる
指しゃぶりや口呼吸、舌の癖などは歯並びに悪影響を与える習慣です。
小さい頃に矯正を始めると、こうした悪癖の改善もあわせて行うことができ、歯並びの乱れを起こす根本的な原因にアプローチすることができます。
■大人になってから矯正を始める場合のポイント
◎むし歯や歯周病がないか確認
大人の矯正を行う場合、歯や歯肉が健康であることが前提条件となります。
むし歯や歯周病があると矯正中に進行してしまい、思うように治療が進められないことがあります。
そのため、まずは口腔内を健康な状態に整えてから矯正をスタートすることが大切です。
◎治療期間を見越した計画を立てる
大人は骨の成長が終わって硬くなっているため、歯の移動に時間がかかる傾向があります。
治療期間は2年~3年程度が目安ですが、症例によってはさらに長くかかることもあります。将来的なライフイベントを見据えて、余裕を持った計画を立てると安心です。
■矯正を始める判断のポイント
◎年齢よりもその方の状態に合わせて考える
歯列矯正は、何歳だから必ず始めなければならないというものではありません。
顎の成長を利用できるタイミングは子どもの頃特有のものであるため、これを活用したい場合は早めに始める必要があります。
ただ、患者様の状態や、歯並びが気になっているかどうかが、治療開始を判断する大きなポイントです。
小さい頃から始められるのが理想ではありますが、大人になってからでも遅すぎるということはありません。
◎気づいたら早めに歯科医院で相談する
「うちの子はまだ早いのでは?」「大人になってしまったけれど間に合うのかな?」と迷った時は、まず歯科医院に相談するのが第一歩です。
自己判断で様子を見続けるよりも、早めに相談することで選択肢が広がります。
【小さい頃に始めるとメリットはあるが、その方の状態で判断する】
矯正は、小さい頃に始めると多くのメリットがありますが、大人になってからでも十分可能です。
子供の成長期を活かせば顎のバランスを整えやすく、将来の抜歯リスクを減らせます。
一方で大人でも歯や歯肉が健康であれば歯列矯正は十分に可能です。
大切なのは年齢よりも現在の状態で判断し、まずは歯科医院に相談することです。
気になったタイミングが、矯正を始めるベストな一歩となるでしょう。