歯の矯正って何歳までできる? 大人になってからの矯正治療の注意点
歯の矯正は子どものうちに行うものというイメージがありますが、実際には年齢に上限はなく、大人になってからでも治療を受けることが可能です。
歯や顎の状態が健康であれば、50代や60代でも矯正治療を進められる場合があります。
ただし、大人の矯正には子供とは異なり、特に歯周病のリスクや治療期間の長さなどを考慮する必要があります。
ここでは、大人の矯正治療について詳しく解説します。
目次
■矯正治療に年齢制限はあるのか
◎矯正は何歳まで可能なのか
歯の矯正治療に年齢制限はなく、歯を支える骨が健康であれば、何歳からでも治療を受けることができます。
反対に歯や骨の状態が良くないと何歳であっても矯正治療が難しい可能性があります。
■大人の矯正治療のメリット
◎見た目の改善
歯並びが整うことで、見た目の印象が良くなります。
歯並びのコンプレックスが解消されることで、笑顔が増え、自己肯定感が向上する方も多くなります。
◎噛み合わせの改善
歯並びが悪いと、噛み合わせに問題が生じ、一部の歯に過度な負担がかかることがあります。
矯正治療を行うことで、均等に力が分散され、歯や顎関節への負担を軽くできます。
また、食事の際にしっかりと噛めるようになり、消化を助ける効果も期待できます。
◎むし歯や歯周病の予防
歯並びが悪いと歯磨きがしづらい部分もあり、磨き残しが多くなることも。
矯正治療を行うことで、歯が正しい位置に整い、歯磨きがしやすくなります。
その結果、むし歯や歯周病のリスクが減り、歯の健康を維持しやすくなります。
■大人の矯正治療の注意点
◎歯周病のチェックが必須
大人の矯正治療では、歯周病の有無を確認することが非常に重要です。
歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨が吸収し、矯正治療によって歯が動いた際に脱落してしまう可能性があります。
矯正を始める前に、歯周病の治療を行い、歯周組織を健康な状態にしておくことが大切です。
◎矯正期間が長くなることがある
大人の矯正は、成長中の子どもの矯正に比べて歯の動きが遅い傾向があります。そのため、治療期間が長くなることがあります。
一般的に、成人矯正は中等度以上のものだと1年から3年ほどかかることが多いですが、歯の状態や治療方法によって異なります。
矯正を始める際には、治療期間を考慮し、計画的に進めることが大切です。
◎抜歯が必要な場合がある
矯正治療では、歯を移動させるためにスペースを確保する必要があります。
特に顎が小さい方や、歯並びが極端に悪い場合は、抜歯が必要になることがあります。
◎50代や60代の矯正では全身の状態も確認
年齢が上がるにつれて、骨密度が低下しやすくなるため、矯正治療を行う際には骨の健康状態を確認する必要があります。
特に骨粗しょう症の影響を受けやすい人は、矯正の力による負担を考慮しながら治療を進める必要があります。
歯科医師と相談し、無理のない範囲で治療を進めることが重要です。
■大人の矯正治療の方法、マウスピース矯正?ブラケット矯正?
◎マウスピース矯正
透明なマウスピースを使用するため、目立たずに矯正治療ができる方法です。比較的痛みが少ない矯正方法で、食事や歯磨きの際に取り外せる点もメリットです。
◎ブラケット矯正
ブラケットを歯に装着し、その上にワイヤーを通して歯を動かす方法です。
最近では、白いブラケットや透明なワイヤーを使用することで、目立ちにくいタイプも選べるようになっています。
※歯科医院によっては目立ちにくいブラケットなどに対応していない場合があります。
【矯正治療に年齢制限はない】
歯の矯正治療は何歳まででも可能ですが、大人になってから矯正を行う場合は、歯周病のチェックや治療期間の計画が重要になります。50代や60代の矯正では、骨の健康状態を慎重に確認し、無理なく治療を進めることが求められます。
現在では、目立ちにくい矯正方法も増えており、大人になってからでも安心して治療を受けることができます。歯並びを整えることで、見た目の改善だけでなく、正しい噛み合わせやむし歯・歯周病の予防にもつながります。
矯正を検討している人は、まず歯科医院で相談を受け、自分に適した治療方法を見つけてみましょう。