花粉症と口腔乾燥
最近、花粉症の季節になってきましたね。街中でもマスクをされたり、くしゃみや鼻水をされている方をよくお見掛けします。
花粉症の方はこの時期大変苦労されるかと思いますが、実は鼻の問題だけでなくお口のトラブルも引き起こしやすくなります。というのもひとえに以下の症状によるお口の中の乾燥(唾液の減少)が大きな要因になります。
鼻詰まってしまい鼻呼吸ができなくなり、口呼吸になってしまう
抗アレルギー薬の副作用による唾液の減少
お口が乾燥している状態が続くと、唾液による洗浄作用が悪くなり、汚れ(食べかすやプラーク)が歯に残りやすくなります。また、抗菌作用が低下し、お口の中で細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となるほか、虫歯や歯周病にかかりやすい環境となります。下記1〜5は、これら花粉症に伴うお口のトラブルを防ぐためのポイントです。症状のある方のご参考になれば幸いです。
1.よく噛んで食べましょう!
唾液は噛むという刺激が脳に伝わることで分泌されます。お食事の際には1口30回を目標によく噛んで食べるようにしましょう。また、ガムを噛むことも唾液がたくさんでてくるので効果的です。
ただし、ガムを選ぶときには注意が必要です。虫歯にならないように、シュガーレス、キシリトール入りや歯の再石灰化効果のあるもの(CPP-ACP配合)などの表示を確かめましょう。
2.マッサージを取り入れましょう!
唾液の分泌を促すためには、唾液腺マッサージが効果的です。
唾液腺を直接刺激するので、唾液の分泌が実感できます。
1.耳下腺(じかせん)
指全体で耳の前、上の奥歯あたりを後から前に円をえがく。
2.顎下腺(がっかせん)
親指をアゴの骨の内側の柔らかい部分に当て、耳の下から顎の下までを順番に押す。
3.舌下腺(ぜっかせん)
両手の親指をそろえて、顎の下から軽く押す。
3.舌の体操をしましょう!
唾液腺マッサージに加えて、舌の体操を行うとより効果的です。
【口を明けて/舌体操】
1.舌の先に力を入れ、舌を出したり、引っ込めたりする。
2.舌をできるだけ前に出して、左右に動かす。
3.舌を左回り、右回り、口の回りをなめるように交互に回す。
4.舌を出して鼻の頭や、顎をなめるように上へ、下へと動かす。
【口を開けて/舌体操】
1.舌で上唇を押す。
2.舌で下唇を押す。
3.舌で左右の頬を押す。
4.閉じたままで口唇の内側をなめるように回す(右回り、左回り)。
4.お口の潤いを保ちましょう!
お口の潤いを保つために、こまめに水分補給をしましょう。冬場は空気も乾燥しているので、加湿器などでお部屋の湿度を調節したり、マスクをつけることも効果的です。
5.お口のケアを念入りにしましょう!
補助具を使った念入りな歯みがきや薬用洗口剤の使用に加え、歯科医院でプロフェッショナルケアを受けるなど、お口の中を清潔に保つように心がけましょう。