インプラントと親知らずを利用した歯牙移植のどちらが良い?
江戸川区瑞江にある歯医者 おだ歯科クリニックの院長の小田です。
虫歯や歯周病で歯を失った場合、欠損部の治療法は様々ありますが
現在ではインプラント治療を進められることも多くなると思います。
その際に親知らずなどを利用した歯牙移植を提案されることもあるため患者さんによっては治療の選択に迷ってしまい、
決められないまま時間が経過してしまい状況が悪化してしまう事もあります。
早く治療を進めた方が良いと分かっているが
なかなか決められず治療法を比較検討してる患者様に向けてインプラント治療と歯牙移植の違いを説明していきます。
どちらもメリットデメリットはありますが、
結論から申し上げますと欠損部への機能回復はインプラント治療が第一選択と考えています。
以下その理由を列挙します。
- 欠損部の状況に関わらず適用範囲が広い。
歯を失うような状況下では、周囲の骨や歯茎も相応にやられていることが多く、特に骨の量が不足しているケースが圧倒的に多いです。
移植が検討出来るような環境では比較的骨が残っていると考えられますので、インプラント治療での費用や期間的な負担も少なくて済みます。
- 長持ちする。
インプラント治療は現在では特別な治療では無く欠損部回復の第一選択と言える一般的な治療です。
親知らずなどの移植が長期的に機能し役割を果たす可能性はインプラント治療と比較して相当に低く、適切な定期メンテナンスを行なったとしても10年生存率は1割以下です。
(この数値については客観的なデータが少なく、医療機関による技術レベルや適応症選択など多くの要素が絡むため参考までに当院のデータとなります)
- 失敗した場合のダメージが少ない。
これが歯牙移植を推奨しない最も大きな理由です。
移植歯は寿命を迎え抜け落ちたり感染を起こし抜歯に至る訳ですが、その際の周囲の骨や歯に対するダメージが大きいためその後の処置が大掛かりになります。
本来であれば守れた歯を巻き込んだり、次はインプラント治療にしようと思っても大型の骨造成が必要になったりとマイナス面が大きいのです。
移植には自身の歯を使え、費用も期間も負担が少なくメリットはあるもののインプラント治療の長期安定性が確立された現在において長期定期な視点ではデメリットが上回ってしまうと考えています。
年齢や抜歯理由、ドナーとなる親知らずの位置や歯根形態など、まさに移植に適したシチュエーションも稀にありますが、これは偶然を期待したものであり医療として比較検討の土台に乗せることは適切ではありません。
歯牙移植という選択肢を否定することはありませんが上記の様なデメリットを理解の上で選択しないと後から「こんなはずではなかった」となってしまいますので御注意ください。
瑞江のおだ歯科クリニックでは他院で歯牙移植をした歯のトラブル対応、メンテナンスにも対応しております。
抜歯やインプラント治療でお悩みの方は御相談下さい。